スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2015年08月31日

必要はありま

メレッサはコリンスと父の執務室にいた。ルビルの占領が完了した事を父に報告するためだ。
 父は機嫌がいいのか悪いのかわからないような顔をして、メレッサが提出した書類を読んでいる。もちろんこの書類はコリンスが作ったものだし、父に報告に行くように手配したのもコリンスだった。
 書類の内容は事前にコリンスに説明してもらったが、難しくてよくわからなかったが、それを父は熱心に読んでいる。
 父は書類を半分ぐらい読むと、不機嫌に机の上にほおり投げた。
「甘すぎる、なんだ、この講和条件は!」
 メレッサは、ルビルを約束通り占領したのだから、父が褒めてくれるのではないかと思っていた。だから、父が不機嫌なのはちょっとショックだった。
「どこが、いけないんですか?」
「ルビルの元大統領と閣僚は処刑しろ」
 父は不機嫌に言う。
 また人を殺せと言う。もう人を殺すのはたくさんだった。
「もう戦争は終わって彼らは降伏したんです。殺すせん」
 また、やっかいな事になりそうだった。しかし、何とか父を説得しなければならない、でないと、せっかく助かったと思っていた人がかわいそうだ。
「帝国に逆らった者は殺す。これが掟だ!」
 父は冷たい目でメレッサを睨みつける。
「媾和にあたっては、元大統領の命は保証していません、処刑は可能です」
 横からコリンスが口をはさんだ。
 せっかく私が殺さずに済むように苦労しているのに、それに水を差すような事を言う。
「コリンス、もう人は殺したくありません」  


Posted by 不再為彼此落淚 at 17:11Comments(0)