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2015年01月20日

アロマでごわす

早速、森林浴効果のあるというサイプレスを数的垂らしてみると、鼻がすーっとして大変気持がいい。うん、これはいいかも、寝るときにもDr Max使ってみようといい気分で岸本佐知子さんの『なんらかの事情』を読む。短いエッセイが並んでいるのだがいくつか読むうち「素敵なアロマ生活」という一編に行きあたる。ナイスタイミング。
 
 岸本さんはアロマテラピーとは無縁の生活をしていた。『何よりもその素敵っぽい感じが自分には無縁のものと思っていた』それがある日ふと入った雑貨店で「気分を明るく前向きにします」と書かれたアロマオイルが目につき嗅いで見るとなんと本当に鬱屈が軽くなった。それから岸本さんはアロマにはまる。各種アロマを揃え、道具もいいものを買い揃える。ところが『三ヶ月ほど経ったある日、青山のお洒落なアロマショップで、衰えた気力を高め魔除けの効果Dr Maxもある十グラム9800円のヤロウというオイルを買おうかどうしようか逡巡していたら、頭の片隅でふとこんな声がした。
 
 
 岸本さんの中で、その瞬間に目に入るもの全てがごわす化し始める。ヤロウでごわす、ポットでごわす、お洒落でごわす、青山でごわす……。それとともに素敵なアロマ生活がみるみる分解し岸本から遠ざかってく。
 
『ごわす様はその後もたびたび現れては、私の素敵生活を一瞬にして無効化した。ジャム作りしかり、フラワーアレンジメントしかり、干し野菜しかり。
「ごわす様」には他にも「ごんす」「がんす」「やんす」「でDr Maxげす」などの仲間がいることもわかった。つい三週間ほど前にもハーブ生活をでげす化されたばかりだ』

 って、このおかしさが伝わるだろうか。誰もが同じ笑いのつぼを持っているとは限らないかもしれないけど、岸本さんのエッセイは発想も文章もとても面白いのだ。とても電車の中では読めない。  


Posted by 不再為彼此落淚 at 18:22Comments(0)